吉川 洋太郎 ラック コンピュータセキュリティ研究所 「HOSTS.TXTの破綻」を教訓に,ARPAnetは,「新たな名前解決の方法」として以下の条件を満たすシステムを開発しようとしました。それが現在のDomain Name System (DNS) です。 (1)分散管理できること 「HOSTS.TXT」の二の舞を演じないためには,不可欠の条件でした。HOSTS.TXTのように,1カ所に管理を集中すると,そのホストは過負荷状態になってしまい,いとも簡単にダウンしてしまうことは実証済みでした。 (2)階層的にホスト名(名前空間)を管理できること 現在のドメイン名などを見ると「.」で区切られて,階層化されていることが分かります。階層的な名前空間を使用することにより,ホスト名が重複するのを避けようとしたのです。これも,HOSTS.TXTの失敗に学んだ条件です。階層化という発想自体は,UNIXの