まるで滝のように、使用済み核燃料プールへ水が放たれる。全国民がかたずをのんで見守った映像は、NHKが誇る高性能カメラシステムで撮影されていた。 同システムは2000年に、NHKが天文観測や災害撮影用として昭和機械製作所、テクニカに開発を依頼。コンピューターによってスムーズな操作ができる上に、撮影困難な遠くて暗い被写体を鮮明に映し出すスーパーカメラとして02年に完成した。 現在、世界に3台しかなく、そのすべてをNHKが保有。価格は1台3000万円で、最大1250倍のズームを備え、100キロ離れた地点までの撮影が可能という優れものだ。製作関係者によると、縦横3ミリ程度の新聞文字が、200メートル離れた地点から撮影できるという。 これまで、同システムは03年8月、火星が地球に約5575万0006キロの距離にまで最接近した際に使用。月明かりを頼りに歴史的瞬間を捕らえ、NHKの番組でその映像が披露さ