テレビ放映から25年超の時が過ぎた今もなお、幅広い世代からの熱狂的な支持を受け続ける『新世紀エヴァンゲリオン』。本作はいかにして、日本アニメ界に革新を与える一作となったのか。 ここでは、アニメ・特撮研究家の氷川竜介氏による新著『日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析』(角川新書)の一部を抜粋し、『新世紀エヴァンゲリオン』がアニメファン以外にも受け入れられた理由について紹介する。(全2回の1回目/後編を読む) アニメファンの枠組みを超えたブームの拡大 なぜ『新世紀エヴァンゲリオン』(95)が熱狂的に受け入れられ、ブームの起爆剤となったのでしょうか。いくつもの原因が複合しなければ大ヒットにはなり得ません。その「新しさ」を分析してみましょう。 まず作品の構造は、伝統的な「ロボットアニメ」を下敷きにしています。主人公・碇シンジは14歳の少年で、父親の建造した汎用ヒト型決戦兵器人造人間
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