「第157回 『DALLOS』」でも書いたように、初期のOVAはクリエイターが主体となって立てた企画が多かった。TV作品と違って、OVAは内容についても、スケジュールや予算についても制限が緩い。だったら、クリエイターが本領を発揮した作品が生まれるはずだ。そう思っていたからこそ、僕達はOVAに期待した。金田伊功の『BIRTH』は、そんなOVA初期を代表するタイトルだった。制作スタジオは、カナメプロダクション。監督は貞光紳也。金田伊功の役職は、アニメーション・ディレクターとキャラクターデザインだった。OVAではあるが1984年9月5日のビデオ発売に先駆けて、1984年7月21日に劇場公開されている。 『BIRTH』はアクアロイドという惑星を舞台にし、ユピテル・ラサ、シュルギ・ナム、バオ・ルザン、ジュノベル・キムという4人のキャラクターが活躍する冒険アクションだ。OVAリリースまでの経緯について