保育園くらいの子どもが、1個のマシュマロと2個のマシュマロがそれぞれ置かれたテーブルに着く。脇の卓上ベルを鳴らして研究者を呼び出せば、すぐに1個のマシュマロを食べられる。しかし、席に着いて研究者が戻るまで待つことができれば、2個のマシュマロにありつける。 今すぐに報酬を得る方を選ぶか、少し我慢してより多くの報酬を得る方を選ぶか。欲求の先延ばしに関する有名な実験である。「マシュマロ・テスト」という名前が付いていることは知らなかった。ただ実際は他にもクッキーやプレッツェルなど好きなお菓子から自由に選べたらしく、名前もマスコミによって付けられたものだそうだ。 4歳や5歳頃の未就学児たちを対象に行われたマシュマロ・テストは、その結果から被験者たちの将来について多くのことを予測し、注目を浴びた。長い時間欲求を先延ばしにできた子どもは、時間が短かった子どもに比べ、気が散りにくく、取り乱さず、大学適性試