アルツハイマー病は、脳の中にたまったアミロイドβという異常なタンパク質が原因と考えられていますが、通常は、脳内の「脳の中の水」によって日々洗い流されているといいます。前編では、この脳の中の水のはたらきについて、見てました。引きつづき、この脳の水によって洗い流されたゴミの行方を追ってみましょう。 長年の謎、脳のリンパ管 以前の記事*で、老廃物を含む間質液は、リンパ管に吸収されると述べました。リンパ管は、全身をくまなく覆っており、私たちの活動によって生じたゴミを洗い流してくれています。 しかしながら、どういうわけか、脳組織でのみ、このリンパ管が見つかっていませんでした。したがって脳がどうやって老廃物を洗い流しているのかは、医学分野でも長年の謎でした。 じつは、この謎を解く鍵は、これまで述べてきた脳脊髄液の流れにあったのです。 *以前の記事:〈アルツハイマー病に関係する「アミロイドβ」じつは、若