企業各社にとって、人材戦略は非常に重要な課題だ。人材の育成に当たって、トップは何を思うのか。企業を担う若いITエンジニアに何を求めているのか。 電通国際情報サービスの取締役で、CTOとして同社を率いる笠健児氏は、「新しい技術を生み出すことも重要だが、お客さまのニーズを聞き、既存技術を適切な形に仕立て、提供するのがわれわれの本来の役割」と話す。笠氏が考えるITエンジニアに必要な資質を聞いた。 ■技術のすごさだけにとらわれてはダメ 「技術者は、新しい技術を見ると、そのすごさにとらわれます。しかし、ユーザーが求めているのは技術そのものではありません。例えば製造業のユーザーが3D CADを使うのは、あくまで『ものづくりをする』という手段のため。3D CADで描く画像がいくら素晴らしくとも、画像を作ることがお客さまの目的ではありません。IT技術者はその点をもっと認識しなければなりません」と、笠氏は、