こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2019年のBritish Medical Journal誌に掲載された、 プロトンポンプ阻害剤という胃薬の、 高齢者使用と生命予後についての、 かなりショッキングな論文です。 プロトンポンプ阻害剤は、 強力な胃酸分泌の抑制剤で、 従来その目的に使用されていた、 H2ブロッカ-というタイプの薬よりも、 胃酸を抑える力はより強力でかつ安定している、 という特徴があります。 このタイプの薬は、 胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療のために短期使用されると共に、 一部の機能性胃腸症や、 難治性の逆流性食道炎、 抗血小板剤や抗凝固剤を使用している患者さんの、 消化管出血の予防などに対しては、 長期の継続的な処方も広く行われています。 商品名ではオメプラゾンやタケプロン、 パ
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 2019年のJAMA Internal Medicine誌に掲載された、 現状の自動血圧計を使用した血圧測定の精度を検証した論文です。 血圧は非常に重要な健康指標であることは間違いがありませんが、 その測定法についてはまだ多くの議論があり、 何が正しいのかという結論に至っていません。 正式な血圧測定の方法は、 現在でも腕を加圧して、 聴診器で医者や看護師が、 血管から生じる音を聴く聴診法ですが、 元々の機器自体が今は水銀の毒性の問題があって、 使用出来なくなっていますし、 実際にその音の実態が何であるのか、 という本質的な部分が実はよく分かっていません。 それに代わって、 今では多くの大学病院でも使用されているのが、 皆さんが自宅で測定に使用するような自動
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。 朝から在宅の準備などして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今月のJAMA誌のレターですが、 アメリカでポピュラーな、 エナジードリンクの交感神経への影響を、 結構厳密に検証した興味深い小論です。 エナジードリンクは、 日本の栄養ドリンクに近い飲み物ですが、 レッドブル、モンスターエナジーなどの商品は、 近年日本でも発売され、 宣伝などの効果もあって、 日本でも人気を獲得しつつあります。 その成分は、 基本的には日本のユンケルなどの栄養ドリンクと、 大きな差はありません。 ブドウ糖などの糖液に、 アルギニンなどのアミノ酸や、 カフェイン、タウリンなどの栄養成分、 刺激成分などが含まれています。 漢方薬やビタミンなどを含むものもあります。 日本の場合は清涼
こんにちは。 北品川藤クリニックの石原です。 今日は1日外来診療の予定です。 昼には在宅診療もありますし、 息の抜けない1日になりそうです。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今年のJAMA誌に掲載された、 咳止めとして使用されている古い薬に、 認知症の問題行動を改善する作用があるという、 興味深い臨床試験の論文です。 デキストロメトルファン(商品名メジコンなど)は、 咳中枢に作用するタイプの咳止めで、 風邪に伴う咳症状に対して、 一般の臨床で頻用される薬です。 1958年には既にアメリカで承認されていますから、 非常に古い薬です。 一方で、このデキストロメトルファンは、 CYP2D6という酵素により代謝され、 デキストロルファンになるのですが、 この代謝産物が、 NMDAと呼ばれるアスパラギン酸の受容体の拮抗薬として作用する、 ということが比較的最近明らかになりました。 この作用
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 1997年のLancet誌のレターです。 古いものですが、 先日リハビリテーションの先生の講演の中で、 紹介されていたので、 興味を持って読んでみました。 高齢者の転倒は、 高頻度に骨折に結び付き、 寝たきりの原因となると共に、 その生命予後にも大きな影響を与えます。 しかし、そのリスクを予測することは、 そう簡単なことではありません。 今回の研究においては、 「歩きながら喋ることが出来るか?」 というシンプルな区分けにおいて、 それが不可能であることが、 その後の転倒を予測する因子として、 有用であるかを検証しています。 対象となっているのは、 スウェーデンの介護施設に入所している、 平均年齢80歳の高齢者58名で、 歩行
こんにちは。 六号通り診療所の石原です。 今日は胃カメラの日なので、 カルテの整理をして、 それから今PCに向かっています。 それでは今日の話題です。 今日はこちら。 今月のJAMA Psychiatry誌に掲載された、 アメリカにおけるベンゾジアゼピンの使用についての文献です。 ベンゾジアゼピンは、 商品名では抗不安薬のセルシン、 デパス、ソラナックス、ワイパックス、レキソタン、 睡眠導入剤の、 ハルシオン、レンドルミン、サイレース、 ユーロジンなどがこれに当たり、 その即効性と確実な効果から、 非常に幅広く使用されている薬剤です。 その効果はGABAという、 鎮静系の神経伝達物質の受容体に似た、 ベンゾジアゼピンの受容体に、 薬剤が結合することによってもたらされ、 不安障害の症状を軽減する作用と、 眠りに入るまでの時間を短縮する作用については、 精度の高い臨床試験により、 その効果が確
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