秋田書店が漫画誌の読者懸賞で当選者数を水増しした問題をめぐり、不正を訴えた後に懲戒解雇された元女性社員(28)が11日、同社を相手に地位確認と損害賠償や未払い賃金など約1500万円の支払いを求め、東京地裁に提訴した。 訴状などによると、元社員は不正があった漫画誌で読者懸賞を4年以上担当。水増しに気付き是正を訴えると、編集長から「会社にいたかったら上から言われたことを聞き、文句を言わずに仕事をしろ」「他言したらお前をつぶす」などと言われ、不正を続けるよう要求された。 元社員はその後、適応障害を発症し2011年9月から休職。12年3月、懸賞品を盗んだとして懲戒解雇された。 記者会見した元社員は「(同社の漫画誌で連載された)手塚治虫の『ブラック・ジャック』が好きで、つらいときもこういう読者に寄り添うような作品を作りたくて入社した。読者を裏切る秋田書店が許せません」と話した。 秋田書店の話