タグ

2013年9月1日のブックマーク (5件)

  • 『議論を呼ぶイスラエルの人口統計』

    2013年7月21日付けの『エルサレム・ポスト』紙のインターネット版によるとアラブ系イスラエル市民の特殊出生率が急速に低下している。イスラエルの総人口8百万の四分の三はユダヤ教徒だが、残りの四分の一はパレスチナ人でイスラム教徒やキリスト教徒などである。イスラエル成立時に多くのパレスチナ人が追放されたが、逃げずにイスラエル国内に踏みとどまった人々も多かった。その人たちと子孫2百万人が、イスラエル市民として生活している。特殊出生率というのは一人の女性が生涯に産む子供の数である。 イスラエル市民権を持つアラブ人の多産傾向が、やがてはイスラエルをユダヤ人国家からアラブ人国家に変えるのではないかとの懸念を、ユダヤ人は、そして期待をアラブ人は長年抱いてきた。ところが最近になってアラブ人の特殊出生率が急速に低下している。21世紀に入ってからのデータでは、アラブ人は年4万人の赤ん坊を産んでいる。これに対し

    『議論を呼ぶイスラエルの人口統計』
  • 『ギャロップのエジプト経済に関する世論調査』

    2013年8月8日に世論調査で知られるギャロップ社がエジプト経済に関する世論調査の結果を発表した。調査は7月に軍がクーデターでモルシー大統領を追放する2週間前に行われている。クーデター直前のエジプト経済をエジプト国民は、どう認識していたのだろうか。また一人一人の生活状況を、どうとらえていたのだろうか。調査結果は、そうした疑問に答える興味深いデータを示している。 この調査によれば経済状態が「良い」と答えた者は1割にも満たない。「苦労している」が58パーセントと6割に近い。それよりも経済状況が悪く「苦しんでいる」との反応が34パーセント、つまり三分の一に達している。この数値は約半年前の1月には23パーセントだったので、この期間中に10パーセント上昇している。また経済的状況に「苦労している」と、もっと悪くて「苦しんでいる」を合計すると9割を越える。エジプト人の9割が、経済状況に不満であることがわ

    『ギャロップのエジプト経済に関する世論調査』
  • 『中国がシリアのアサド政権を支援する理由』

    シリアの混乱に対しては、中国は外交的にアサド政権を支援してきた。つまり国連を筆頭とする国際社会による介入に反対してきた。中国は、ロシアと共に拒否権を行使して、アサド政権を一方的に批判して介入の地ならしとなりそうな決議案を安保理で葬ってきた。安保理の常任理事国の中ではロシアのアサド政権支援のみに注目が集まってきたが、こうした中国の動きの背景は何なのだろうか。 中国ロシアと共にシリアに関して守ろうとしているのは、アサド政権ではなく内政への外国の不干渉の原則である。もしシリアで人権が侵害されているというので、国連の介入が正当化されるのであれば、チベット人の人権が蹂躙されているとして外国が中国に口出す権利を認めることとなる。中国は内政不干渉の原則にこだわっている。 もう一つの中国のこだわりは、国内のイスラム教徒の問題と絡んでいる。シリアの反政府勢力の間で中国のウィグル人が軍事訓練を受けているから

    『中国がシリアのアサド政権を支援する理由』
  • 『1980年代にイラクの化学兵器の使用を黙認したワシントン』

    化学兵器の使用への懲罰として米英仏の北大西洋条約機構諸国によるシリア攻撃が予測されている。ちょうど、この時期にアメリカの『フォーリン・ポリシー』誌が1980年代にレーガン政権がイラクによる大量の化学兵器の使用を黙認したとの記事を掲載した。この事実自体は当時から知られていたのでニュースではないが、その詳細が報道されたのは始めてである。 1980年9月にイラク軍の侵攻で始まったイラン・イラク戦争においては、緒戦では優勢であったイラク軍は、敗退が続き守勢に回った。1982年からはイラン軍がイラク南部の主要都市バスラを脅かすようになった。劣勢に立ったイラク軍は、大量かつ頻繁な化学兵器の使用で何とか防衛ラインを維持した。イラン軍の度重なる攻勢の中でも特にバスラを脅かしたのは、1987年の攻勢であった。この頃イラク軍の防衛戦には弱い部分があった。それをイラン側は察知しており、その部分への攻勢に備えて兵

    『1980年代にイラクの化学兵器の使用を黙認したワシントン』
    Tiantian
    Tiantian 2013/09/01
    バスラ
  • 「心債」

    中国のネットに重苦しい雰囲気が広がっている。特に「発言する人たち」は今年国家主席になったばかりの習近平がぶちあげた「チャイナドリーム」とやらがいったいどんなものなのか見定めようとしてきただけに、今はなんともいえない煮えたぎるような怒りに身を任せつつ、それを吹き出させる方向を探しているようにも見える。 7月20日夕刻に北京国際空港第三ターミナルの到着ロビーで起こった手製爆弾事件。ちょうど夏休み、そして週末の夕刻ということで、空港に出迎えにやってきていた人も多かったのではないか。爆弾を作って持ち込んだ男の挙動はそれを引火させる前からそんな人たちの目を捉えており、引火と同時に写真や情報が中国国産マイクロブログ「微博」に飛び交った。 そして、その前に彼が配っていたというビラから、事件発生わずか30分もたたないうちにその身元が山東省に暮らす冀中星だと明らかになった。その速さには驚いたが、首都空港とい