ペルー議会は11月9日、マルティン・ビスカラ大統領に対する罷免決議を賛成多数で可決した(各政党の投票状況は添付資料表参照)。これを受けて、ビスカラ大統領は全閣僚とともに大統領府前で記者会見を開き、罷免措置への法的対抗措置を取らないことや、罷免理由となった収賄疑惑に関し自身の潔白を証明することを約束し、国民と自治体幹部、閣僚への感謝とともに退任を発表した。後任の大統領にはマヌエル・メリーノ・デ・ラマ議会議長が就任し、翌10日に就任宣誓式が行われた。憲法が規定する大統領職の継承順位1位は副大統領だが、ビスカラ政権で副大統領だったメルセデス・アラオス氏が2019年の議会解散(2019年10月4日記事参照)後に辞意を表明し(2020年5月に新議会が辞表を承認)、副大統領ポストが不在のため、順位2位の議会議長が大統領に就任したものだ。 今回の罷免決議案は、ビスカラ大統領がモケグア州知事時代(2011