35歳以下の「若者」層を中心に、中東では情報空間の変容や技術革新が起こりはじめ、中東の民主化運動は雪崩を打つようにアラブの政治世界を覆しつつある。 著者は、本稿前篇「中間層台頭の中東に共通 変化を見通す4つのポイント」で、中東各国の政治体制が直面する変化を観察するための切り口を示した。 後篇では、各国相互の影響関係に目を向け、大国・エジプトの民主化への移行プロセスと、サウジアラビアを中心とした湾岸協力会議(GCC諸国)が構築しつつある“征服王朝”モデルとを対比しながら分析。また、中東の変動の観察によって、日本がグローバルなパワーバランスの変化や言説空間の変容に対応するためのきっかけとなるはずと提言。 エジプトの民主化プロセスと地域大国としての再興 リビアでの内戦の状況や、シリアでの弾圧や国際的な制裁といった、「紛争」「混乱」に短期的には注目が集まってしまいがちだが、重要なのは中東政治の主軸
のんびり紀行文を書き続けていたら、とうとうそのバハレーンで、衝突に火がついてしまった。ここ数日、バハレーンでのF1グランプリの開催に反対するデモが大規模に組織され、バハレーン官憲と激しくぶつかり合ったからだ。20日、F1開催日に行われた最大級のデモでは、反政府活動のリーダーのひとりが殺害されたことが発覚した。 なぜF1に反対するのか? 別に、カーレースがいけないのではない。それどころじゃないだろう、もっと先に国内で政治改革すべきことがあるはずじゃないか、というのがその趣旨だ。実は昨年の三月、予定されていたF1グランプリが「アラブの春」で延期された。バハレーン政府にしてみれば、今年も開催できないなんて沽券に係わる、と考えたのだろうし、反政府側は、昨年開催を見送ったときと比べて改革されたどころか、もっと状況が悪くなっているじゃないか、という思いだろう。 三月にバハレーンを訪れたとき、印象的だっ
(英エコノミスト誌 2012年4月28日号) 世界的な不均衡の主な要因は石油輸出国だ。 まずは良い知らせから。世界的な不均衡に関する議論の中心にいる国、中国の経常黒字はこの2~3年間で急減してきた。今度は悪い知らせ。世界レベルでの不均衡に関して言えば、本当の意味で中国が主因だったことは一度もなかった。 米国の経常赤字の最大の相手方は、原油高から思わぬ巨額収入を享受してきた石油輸出国全体の経常黒字だ(下図の左側参照)。国際通貨基金(IMF)は、石油輸出国が今年、7400億ドルという過去最高の黒字を計上すると予想している。その5分の3は中東諸国の黒字だ。 中国を圧倒する石油輸出国の経常黒字 この数字は、予想される中国の経常黒字1800億ドルをちっぽけなものに見せる。2000年以降、石油輸出国の累積黒字は4兆ドルを超えており、中国の累積黒字の2倍に達している。 このような巨額のへそくりが中国
レバノン紙al-Nashrahアン・ナシュラからの転載。あるアラブの外交官によると、報道から受ける印象とは反対に、ここ数週間でアラブ各国が懸案整理のため、シリア政府に接触してきている。未だにシリアをボイコットしているのは、カタールだけ。前の記事、その2 理由の一つは、米国とフランスの大統領選。2つ目の理由は、イランの核問題が微妙な段階に入ってきたので、シリア問題を発火させたくないという意思が働いている。 サウジ国内でも、反体制派に対する武器支援を主張するグループに対して、現時点では人道支援に留めるべきと主張するグループが現れ、両者の勢力が均衡している。 この外交官は、国連監視団が展開すれば、情勢は好転すると観測している。 http://www.syriandays.com/?page=show_det&select_page=73&id=31139 http://backupurl.com
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く