(2012年7月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) シベリア西部のノボシビルスクで小麦農家を営むユーリ・シェルジャコフさんは、干ばつに見舞われた米国中西部の同業者たちに容易に共感できる。焼けるような暑さと雨の降らない状態が2カ月続いた後、シェルジャコフさんの農場では小麦の収穫が危うくなっており、「悪夢のような事態を迎えようとしている。いいことは何も期待できない」と言う。 過去半世紀余りで最悪となる米国の干ばつがメディアの話題をさらっているが、ロシアの穀物産業も天候問題に苦しんでいる。 米国の干ばつで神経尖らせる市場に追い討ち 今の状況は2010年ほど悪くはないかもしれない。当時は国内の作物が壊滅状態に陥り、ロシア政府が輸出を禁止した。 だが、アナリストらによると、ロシアと隣国カザフスタンの穀物生産は、世界の農産物供給にとってますます重要になっている。トウモロコシと大豆の価格は、米国の
7月19日、米国の干ばつを引き金とした穀物価格の急騰により、春先などに輸入業者と結んでいた売買契約を不履行にする穀物ディーラーが増え始めている。インディアナ州で18日撮影(2012年 ロイター/John Sommers II) [ハンブルク/ロンドン 19日 ロイター] 米国の干ばつを引き金とした穀物価格の急騰により、春先などに輸入業者と結んでいた売買契約を不履行にする穀物ディーラーが増え始めている。契約通りに引き渡しを行うと損失が出るためで、エジプトの一部業者の小麦の買い付けが不履行になったほか、リビアへの小麦売却取引も不履行になる可能性がある。 米国中西部はここ50年余りで最悪の干ばつに見舞われており、トウモロコシ価格は先月には約50%急騰。大豆は過去最高値に上昇し、小麦相場も急伸している。 市場関係者によると、エジプトの穀物バイヤーに対する一部の取引が不履行になったという。ただ多国籍
【ワシントン=柿内公輔】世界の主要な穀倉地帯で深刻な干(かん)魃(ばつ)被害が広がっている。特に記録的熱波に見舞われた米国では、大豆やトウモロコシなどの穀物価格が歴史的水準まで急騰。日本を含む消費国への打撃が懸念されている。また途上国などでは農産物への需要が急増しており、政治的な混乱を生み出す懸念も出ている。 カラカラに乾ききった大地に、しおれた作物が今にも倒れそうだ。10日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、干魃被害が深刻なインディアナ州のトウモロコシ畑の惨状とともに、「全米が干上がっている」と伝えた。 米国は大豆やトウモロコシの生産で世界の約4割を占める世界最大の穀物輸出国。食品から飼料まで用途は広く、世界経済への影響も大きいが、今年は大凶作で、穀物相場も天井知らずの勢いだ。大豆は10日に先物価格が最高値を更新し、トウモロコシや小麦も値をぐんぐん上げた。いずれも作柄はやはり大干魃
上木 貴博 日経ビジネス記者 2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。 この著者の記事を見る
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