【The Evangelist of Contemporary Art】抵抗の拠点としてのアート―最近鑑賞した若いアーティストたちから立ち上がる抵抗の残像 なぜ、残像か? 儚く消え去る幻影ではない。脳裏に記憶の痕跡が刻まれるほど、逸楽の強烈なイメージ。それは連鎖する。強烈な残像は別のそれと共鳴し響きあい、人間の活動は、この残像の連鎖が織りなす環境の影響を蒙る。 その意味で世界の土台となるこの残像が、本文で取り上げるアーティストの作品からどのように練り上げられるのか。そして、それらが節合して世界の最前線に抵抗の防波堤を築くのかを見極めてみたい。 最初は、Akio Nagasawa Gallery Aoyamaで開催された、アーティスト本人が境界を横断するスクリプカリウ落合安奈の個展「journey」(6月3日~6月19日)。展示された二種類のシリーズからは、近さ(境界の曖昧化、擬人化)と遠さ