彼は優秀な人だった。 割とイケメンで背も高く、勉強もスポーツもできる。クラスの女子にもかなりモテていた。 事実、毎年バレンタインデーの日はどっさりチョコレートを持って帰ってきて、放課後にうちの家にまで 女の子が届けに来る始末。 兄「こんなにもらってもなー。。。食い切れねーからおまえ好きなの食っていいよ」俺「マジ?いいの??うっひょーチョコ食い放題だぁ!」 当時の俺からすれば、越えられない壁=兄貴。俺みたいなちんちくりんじゃ絶対に歩めない、輝かしい人生を歩むんだろうなと思っていた。それほどまでにカッコよく、ある種の憧れさえ抱いていた。 そして兄貴は高校を卒業し、現役で青山学院大学に合格。留年することなくしっかりと卒業し、安田生命(現:明治安田生命)に就職。まさに順風満帆な青年期を送っていた。これが10年以上前のこと。 だが、この就職が兄貴の人生を狂わせることになる。 安田生命においても、デキ