われわれにとって煎茶は水に準ずるあたりまえの存在であって、好き嫌いの対象ではない。 もしあなたが港町を歩いている途中でウニの養殖場を見かけたりしたら、キャベツをもりもり食べているウニをうっとりと眺め、「これを割ったら橙色の濃厚なおいしいやつがびっしり詰まっているに違いない」などと想像することだろう。なお、「キャベツをもりもり」というのは、最近インターネットから仕入れた知識で、駆除対象でおいしさ控えめのムラサキウニに、同じく廃棄対象のキャベツを食べさせたら、海藻を与えたときより臭みがなくて味がよくなるとの話だった。わたしはそのニュースを見て、窓際族であるところの自分が他の窓際族の構成員とコラボレーションしたら業績が劇的にアップする企画を思いついたりするのだろうか、いや、ない……などと思ったのだが、それはともかく、ウニが養殖されているところを見たならば、何らかの感慨のようなものが少なからずある