「今年こそは聖書通読を!」 一年の初めに、そう目標を立てるクリスチャンは多いかもしれない。しかし、旧約・新約合わせて2千ページ近くに及ぶ聖書を最初から最後まで読み通すのは、それなりのエネルギーと時間を必要とする。途中で挫折してしまう人が多いのも聖書通読だ。聖書を読み通すためのコツはあるのか。『1年で聖書を読破する。―永遠のベストセラー完読法』の著書があり、「聖書検定」の公式テキスト本論著者でもある鈴木崇巨(たかひろ)氏(日本基督教団引退牧師)に話を聞いた。 1942年、三重県で生まれた鈴木氏が最初に教会を訪れたのは15歳の時。家の前で太鼓をたたきながら伝道していた人がおり、それから興味を持って教会に行くようになった。仏教と神道が混在した「普通の日本の家庭」で育った鈴木氏は当時、キリスト教に関する知識をまったく持ち合わせていなかった。教会に通うようになってから聖書を読み始めるが、最初の聖書通