東浩紀/批評家・作家。株式会社ゲンロン取締役 この記事の写真をすべて見る 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。 * * * ツイッターが終わった。青い鳥が消えた。 イーロン・マスク氏は7月23日にツイッターの名称廃止を突然発表。翌日にはロゴを黒いXの文字に変更、サンフランシスコにある本社ビルの看板も外すなど改革を進めた。今後ツイッターは「X」という名称になり、決済機能をもつ万能サービスに生まれ変わるという。 Xはマスク氏が1999年に創業した社名で、強い思い入れがある。氏は当時から金融に関心をもっていた。ペイパルとの競争に負け一旦撤退したが、3億人のアクティブユーザーを取り込んで捲土重来を期すつもりなのだろう。氏は気紛れで知られるが今回は本気だ。もはや昔のツイッターに戻ることはあるまい。 マスク氏が運営会社