新型コロナウイルスの感染拡大で国際線を中心に航空需要が低迷する全日本空輸を傘下に持つANAホールディングス(HD)は27日、業績を立て直すための事業構造改革を発表した。来春に400人以上の社員をグループ外の企業に出向させることや、新ブランドとなる中距離国際線の格安航空会社(LCC)を立ち上げることなどが柱。出向先として家電量販大手のノジマやスーパーマーケットの成城石井などを挙げた。コールセンターやホテルでの受付や企画業務などを想定している。 ANAHDは、令和3年3月期の連結最終損益が過去最悪の5100億円の赤字(前期は276億円の黒字)になるとの見通しを発表。財務基盤を強化するため、銀行から一部が資本とみなされる劣後ローン計4千億円を調達する契約を同日結んだことも公表した。 赤字額はリーマン・ショック後の平成22年3月期に計上した573億円をはるかに上回る規模となる。連結売上高は前期比6