今年のシンポジウムでは、生命にとって大事な糖鎖の役割と病気の解明(特に癌と老化について注目)をキーワードに医療応用をめざした基楚研究の成果が講演8題により紹介されました。 前半は「糖鎖と癌の関係」について、後半は「糖鎖と老化の関係」についてのお話がありました。 これまで発表されている内容やそれに近いお話が多い中「バクテリアの顔を作り変えて新ワクチンをつくる」の演題で発表があり興味をひかれました。 その発表は、バクテリアの顔つまり細胞壁に様々な分子を導入し、これを利用して病原性細菌を不活化したり、宿主の免疫系を活性化する事で感染を防御する事を可能にする方法についての発表です。 従来行われていた手法では、バクテリアの表面に外来のタンパク質をフュージョン蛋白質として発現させることは可能でしたが、タンパク質以外の物質を発現させることは不可能でした。この新しい方法ではタンパク質以外(ex.細菌やウィ