米国フロリダ州のスクリプス研究所のポール・ケニー氏らの研究チームによるニコチンに対する渇望感を引き起こす脳の部分を特定したとの研究結果が1月30日の英科学誌ネイチャーに掲載されました。 同研究チームはマウスなどの実験で、これまでニコチン依存症に関係があると指摘されてきた「CHRNA5」遺伝子を調べました。この遺伝子はニコチン分子に反応する脳内の受容糖鎖を抑制する役割を果たしている事が知られていました。 研究チームは、通常の「CHRNA5]遺伝子であれば、ニコチンを少量摂取しただけでも「摂取を中止せよ」との信号を脳に伝達する事を突き止めました。さらに、ニコチンの量を増加させると「おいしくない食べ物や飲み物」を摂取した時と同様の反発作用の様な働きも確認しました。ところが、ニコチン受容糖鎖のうち「alpha5」と呼ばれる部分をノックアウトしたマウスでは、先の「中止せよ」との信号が発信される事なく