東京大学疾患生命工学センターの宮崎徹教授らの研究チームがマウスを使った実験で受精卵が子宮で着床した後に胎児として成長するには特定のタンパク質が不可欠である事を突き止めました(2010年12月7日リリース)。 同研究チームは胎盤が形成される間、胎児に栄養を供給する子宮脱落膜という組織に細胞の大きさの制御や代謝調整など重要な働きが知られているタンパク質「DEDD」を発見しました。 遺伝子操作でDEDDができない状態にしたメスのマウスを調べたところ、妊娠し、受精卵が着床しても脱落膜が充分成熟せず妊娠初期に全ての胎児が死亡しました。但し、排卵やホルモンの分泌など他の妊娠に係わる機能に異常は無く、受精卵の着床も正常でした。 着床後、胎盤が形成されるまでの妊娠超初期はサンプルの採集や観察が困難で、未解明な点が多いが、3~4割も占める原因不明の不妊にDEDDが関与している可能性が示されました。 そこで、