外界から何らかの刺激を生体が受け取り、その情報を脳に伝達して処理するプロセスを「感覚」と言いますが、私たちは普段の生活の中で特に意識しなくても視覚、聴覚、嗅覚、味覚さらに体性感覚という5つの感覚を使っています。 これら5感覚のうち嗅覚はマウスやイヌなどの動物と比較すると、明らかに人間は退化していますが、それでも周囲にはいつも嗅覚刺激、例えばコーヒーの香り、花の香り、焼肉の匂いなどがあふれ私達はそれらを無意識に楽しんでいます。 一方、多くの生物にとっての嗅覚は、危険を避けたり、食べ物を探したり、生まれた場所へ戻ったり、交尾相手を選ぶなど生命維持活動に不可欠な役割を果たしています。 私達が嗅いでいる匂いの本体は空気中を漂っている多種多様な気体の化学物質(地球上に約40万種類)で、人間でも数千種類の匂いを嗅ぎ分ける事ができると言われています。 この様な莫大な種類の匂い分子を認識するための「嗅覚受