脳の神経回路の働きにより学習・記憶・感情など脳が司る神秘的な機能が生み出されます。この神経回路の形成プロセスは能動的で様々な細胞間相互作用および細胞と細胞外の物質との相互作用によって調整されています。 この20年位の研究により脳には従来の概念を覆すのに充分な特徴的な構造と機能を持つ特異的なプロテログリカンが多く存在する事が分かり、これらの脳特異的プロテオグリカンが、細胞間あるいは細胞と基質間の相互作用に直接関与する事で神経回路の形成を制御している事が明らかになっています。 神経回路の形成過程において、神経細胞は標的細胞までの長い経路を認識して軸索を伸長させる、大脳皮質の求心性および遠心性神経線維の伸長経路決定メカニズムに、脳特異的プロテオグリカンであるニューロカンとホスファカンが関わっている事が判明しています。 この2つのプロテオグリカンは神経回路形成期に脳に存在する主要なプロテオグリカン