横浜市立大や北大などの研究チームは14日、目や皮膚などに炎症を引き起こし、失明することもある難病「ベーチェット病」の発症に関係する遺伝子を突きとめたと発表した。 治療薬開発に道を開く成果で、科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」電子版に発表した。 ベーチェット病は自己免疫疾患の一つで、国内には約1万5000人(2002年)の患者がいる。研究チームは、患者612人と健常者740人のゲノム(全遺伝情報)を、約50万か所に及ぶ「SNP(スニップ)」(1塩基の違い)に着目して比較した。 その結果、患者では、過剰な免疫反応を抑える生理活性物質「インターロイキン(IL)10」や、免疫反応を制御するスイッチ(IL23R、IL12RB2)の遺伝子変異が多くみられた。これらの遺伝子変異によって、免疫反応のブレーキがかからず、症状が出ると見られる。 ベーチェット病は、中東や東アジアなどの北緯30度〜45度付近に