アルツハイマー病のマウスに対し、ホモシステイン酸というアミノ酸代謝物を減らすワクチンを作って投与したところ、症状が改善したとの研究結果を長谷川亨・佐賀女子短大教授(公衆衛生)らの研究グループが20日、インターネット上の米国科学専門雑誌「PLoS ONE」で発表した。 長谷川教授によると、抗がん剤に使われる貝類のたんぱく質をホモシステイン酸と結合させてワクチンを開発。アルツハイマー病のマウス30匹を円形プールで泳がせて島を探させる実験で、ワクチンを投与しなかった15匹は何度やっても平均1分ほどかかったが、投与した15匹は1日ごとに到着時間が縮まり、4日目には平均20秒余りになった。 同じ実験をアルツハイマー病にかかっていない15匹でも行ったところ、ワクチンを投与した15匹とほぼ同じスピードで到着時間が縮まったという。記憶にかかわる脳の海馬も、ワクチンを投与したマウスの方が投与しないマウスより