食物繊維は植物の繊維や細胞壁などを構成する多糖類(単糖が多数結合した高分子化合物)で、ヒトの消化酵素で消化できないか、消化が困難な物質です。 かつては、食物繊維は口から入り消化管を通過して排泄されるだけの無用な物質と考えられていました。しかし、現在は食物繊維のもつ重要な生理作用が明らかになっています。 食物繊維は大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類され、それぞれ以下の生理作用が確認されています。 水溶性食物繊には血液中のコレステロール値を低下させる作用があり、そのプロセスは次の様です。ヒトは腸管から吸収した胆汁酸を原料として肝臓でコレステロールを合成しますが水溶性食物繊維はこの胆汁酸の体外への排泄を促進します。そこで、合成されるコレステロールが減少し血中コレステロール値が低下します。さらに、水溶性食物繊維には腸管からの糖質の吸収スピードを遅らせて食後の血糖値をゆっくり上昇させる作用が