所有する本や漫画を電子化する「自炊」の代行業者や店舗が現れ、書籍の著作権をめぐり問題化している。新手の業態に法的な評価は確定していない。データが次々複製され不正に流通すると書籍が売れず、作家の創作環境が悪化する恐れがあり、出版界が反発する。出版界反発 東京・秋葉原にオープンした新ビジネスに注目が集まる。漫画や同人誌を手軽に電子書籍化できる店、その名も「自炊の森」。店内はネットカフェのように雑然とした雰囲気で、人気漫画「ワンピース」などが、背表紙を裁断してとじ直した形で並ぶ。利用客はコーナーに設置されたスキャナーを使って書籍1000グラム当たり1000円で、持参した多機能携帯端末などにダウンロードし持ち帰る。 自炊が人気を集めるのは「蔵書をデータ化したい」「好きな漫画をiPadで読みたいが、デジタル化されていない」の声が強いから。反面、データが次々複製され、作家や出版社が壊滅的な打撃を受ける