「経営者の心理が強気なら景気は上向き、弱気なら下向く」。かなり単純化して書いたが、大学1年生の時、筆者は経済学の授業でこう習った。要するに、経済の世界では「心理」が景気を左右し得るということだ。景気動向を調べるとき、日銀短観(景気の現状と先行きを日本銀行が企業に直接行うアンケート調査)が注目される理由は、そんなところにある。 IT投資にも、同じことがあてはまる。以前からよく知られているように、日本企業のIT投資水準は米国企業と比べて大幅に低い。日米のIT投資に関する比較調査はいろいろあるが、一例を挙げると「米国企業のIT投資水準(対売上高比率)は日本企業と比べ3~5割高い」「製造業では2倍ほどの格差がある」といった結果が出ている。この傾向は景気の良し悪しにかかわらず見られるため、日米企業でIT投資に対する「意識」が大きく違うのは明らかである。 衝撃的なのは、直近の調査結果だ。日経コンピュー