チェルノブイリ原発事故(1) ■事故の概要 チェルノブイリ原子力発電所は、ウクライナ共和国(旧ソ連)の首都キエフ(人口50万人)の北130kmのプリピャチ河畔に位置し、周囲を針葉樹林と草原に囲まれている。1986年4月26日未明、4号炉を停止する際に行われた実験の途中で原子炉が暴走、出力が急上昇して爆発する事故が起きた。この結果、原子炉建屋が大破し、炉の中にたまっていた放射性物質がウクライナ、ベラルーシを中心とする全ヨーロッパに飛散した。被曝者が500万人にも上る被害の実態は完全には解明されていないが、事故後30年間にわたる致死的ガンの発生数は、少ない見積もりで数千人、多い見積もりで数十万人だと言われる。原発周辺地域では、子供の甲状腺ガンなど、原子炉事故特有の疾病が多発していることが報告されている。 当時のソ連では、ゴルバチョフ大統領の下で従来の官僚主義的な体制を改めるべくペレストロイカ(