食品「生涯100ミリシーベルト」の問題点 (東京新聞「こちら特報部」11月2日) 原爆調査参考は疑問 福島第一原発事故から八カ月近く経て、ようやく食品に含まれる放射性物質の量が高い暫定規制値が見直される。先月二十七日、内閣府の食品安全委員会は生涯の内部被ばくを「一〇〇ミリシーベルトに抑える」とし、それを基に厚生労働省は新しい規制値を五分の一程度に引き下げる方針だ。これに対し「十分の一ともっと厳しくすべきだ」と主張するのが、九州大学大学院医学研究院の長山淳哉准教授だ。放射線規制値の問題点などを聞いた。 (鈴木泰彦、小国智宏) 放射線の健康への影響の可能性は「生涯で一〇〇ミリシーベルト以上」とした食品安全委の評価書。その根拠に挙げたのが、原爆被爆者の疫学調査だ。 広島と長崎で被爆者を追跡調査した財団法人放射線影響研究所(広島市)の調査は広く知られ活用もされているが、「調査そのものに怪しい点があ