東京電力福島第1原発事故の影響で、東京のベッドタウンや手ごろな別荘地として人気が定着していた茨城県南部で不動産取引が激減している。地元の業者は県の業界団体を通じて東電に補償を求めたが、不動産の損害がどこまで補償されるかは不透明。先行きの見えない状況に「このままでは年を越せない」と頭を抱えている。 東京・秋葉原までつくばエクスプレス(TX)で約35分。マイホームを求め、転居者が増え続けていた守谷市は、原発から約190キロ離れているものの、比較的高い空間放射線量が検出されたことで状況が一変した。同市で住宅や土地の販売を手掛ける男性(47)の顧客は、都心周辺からが7~8割。月に2、3軒は売れていた住宅が事故後はゼロの月もあり、土地も1坪当たり最大で10万円下落。売り上げは前年比で半減したという。