海とは縁遠い印象の京都市に今春、内陸型(沿岸部から50キロ以上)としては国内最大級の「京都水族館」がオープンした。約250種、約1万5000匹もの水の生き物がすむ古都の“海”に出かけた。 同館の特徴は、海の生き物の水槽をすべて人工海水でまかなっていること。ウミガメやエイなど約50種、約3000匹が泳ぐ大水槽は500トンもの海水を使うそうだが、これも全部、人工なの? 「浄水に“海水のもと”を混ぜて人工海水を作る方法は、一般家庭で熱帯魚などを飼うのとほぼ同じ。最新型のろ過システムで、日々入れ替える海水の量を大幅に減らしました。だから、こんな大きな水槽を維持できるんですよ」と同館営業企画部の奥村亜紀係長。 イルカのプールや、クラゲがゆらゆら浮かぶ水槽もみんな人工海水100%。不純物が少ないため透明度が高く、水質も安定していて、生き物にとっても観察者にとってもメリットは大きいという。