【発表のポイント】菌類の菌糸体が新しい木片(エサ)を見つけたときに、新しい木片に引っ越すか元の木片にとどまるかを、新しい木片の大きさで決断していることを発見した。菌類の菌糸体が新たに見つけた木片の方向を記憶していることもわかった。脳も神経系も持たないカビ状の菌類の菌糸体がもつ知性のメカニズムを解明することは、知性の進化的起源の解明や、生態系の物質循環の理解に役立つと考えられる。 【概要】東北大学大学院農学研究科の深澤遊助教と英国カーディフ大学の Lynne Boddy(リン ボッディ)教授らは、木片から土壌中に伸びた菌類の菌糸体が新たな木片を見つけたときに、その木片に完全に引っ越すか、もとの木片にとどまるかを、新しい木片の大きさによって決断していること、新しい木片の方向を記憶する能力があることを発見しました。 本研究成果は 2019 年 10 月 19 日(土)に微生物生態学の国際誌「Th
【研究成果のポイント】熱アシストプラズマ処理によりフッ素樹脂(PTFE)とシリコーン樹脂(PDMS)の強力接着を実現プラズマ処理して活性化したシリコーン樹脂(PDMS)を接着剤代わりとして利用「PTFE(テフロン)/金属」および「PTFE(テフロン)/ガラス」を接着剤無しで強力接着する技術を開発 →接着剤レスのため、VOC低減(低環境負荷、シックハウス症候群の防止)、医療・食品分野での応用に期待 概要大阪大学大学院工学研究科附属超精密科学研究センターの大久保雄司助教、精密科学・応用物理学専攻の山村和也教授らの研究グループは、フッ素樹脂※1 である PTFE(テフロン)とシリコーン樹脂※2(PDMS)の強力接着を実現しました。さらに、その技術を応用して、「フッ素樹脂と金属」および「フッ素樹脂とガラス」を接着剤無しで強力に接着する技術を世界で初めて開発しました(図 1 参照)。 これまでは、N
慶應義塾大学大学院理工学研究科 KiPAS 数論幾何グループの平川義之輔(博士課程 3 年)と松村英樹(博士課程 2 年)は、『辺の長さが全て整数となる直角三角形と二等辺三角形の組の中には、周の長さも面積も共に等しい組が(相似を除いて)たった 1 組しかない』という、これまで知られていなかった定理の証明に成功しました。 線の長さや図形の面積は、私たちの身の回りにあるものを測量する際に欠かせない基本的な「幾何学」的対象です。例えば、辺の長さが 3、4、5 の直角三角形は教科書でもおなじみの図形ですが、辺の長さが全て「整数」となる直角三角形はどのくらいあるか?という問題は、古代ギリシャ時代に研究がなされた重要な問題でした。この流れを汲んで 20 世紀に大きく発展した現代数学の一分野が「数論幾何学」です。 本研究では、数論幾何学における「p 進 Abel 積分論」と「有理点の降下法」を応用するこ
沖縄科学技術大学院大学(OIST)マリンゲノミックスユニットの中島啓介研究員らは、哺乳類の腸管表面の粘液層※1に定住する腸内細菌※2が、「キチン」という多糖の一種を主要素としたバリア免疫機構を失うことと引換えに成立したこと、そして、動物進化の観点から見て新しい存在であることを明らかにしました。 この研究成果は、動物とその腸内細菌の共生関係がどのように成立したかという進化的な疑問に答えると同時に、哺乳類の腸内細菌の特殊性を説明するものです。本知見に基づいて、ヒトの予防医学や、畜産や魚の養殖などへの腸内細菌の応用が進むことが期待されます。本研究成果は、英国の科学雑誌 Nature Communications に掲載されました。 研究の背景と経緯 我々ヒトを含めた哺乳類の消化管には、多様な細菌が大量に存在し、消化吸収はもとより神経系や免疫系の発達に重要な役割を果たすことが知られています。これら
当サイトで紹介しているプレスリリースの多くは、単に論文による最新の実験や分析等の成果報告に過ぎませんので、ご注意ください。 詳細 理化学研究所(理研)生命医科学研究センター医科学数理研究チームの角田達彦チームリーダー(東京医科歯科大学難治疾患研究所 医科学数理分野 教授)らの共同研究グループ※は、マウスとヒトのデータを統合的に解析することで、アルツハイマー病の原因遺伝子を新たに同定しました。 本研究成果は、アルツハイマー病の発症メカニズムのさらなる解明、そして疾患関連遺伝子探索のためのヒトとモデル動物とのトランスレーショナル研究[1]の発展に貢献すると期待できます。 今回、共同研究グループは、アルツハイマー病の原因となる未知の遺伝子を同定するために、マウスの遺伝子発現と表現型の関連データと、ヒトのアルツハイマー病のゲノムワイド関連解析(GWAS)[2]のデータとを統合的に解析しました。その
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く