世界で最も高価な軍用機B2。価格は1機当たり20億ドルを超える/Getty Images/Getty Images Europe/Getty Images 「全翼機」の設計を取り入れ、レーダーにほぼ映らない爆撃機B2スピリットは、軍用機の中でとりわけ異彩を放っている。世界で最も高価な軍用機でもあり、1機当たりの値段は20億ドル(約2200億円)を超える。 冷戦の産物であるB2は当初、ソ連の防空網への侵攻を念頭に開発され、通常兵器と核兵器の両方を搭載する予定だった。しかし初飛行から間もない1989年、今から30年あまり前にベルリンの壁崩壊で冷戦が終結したため、B2がロシアの領空内に入ることはついになかった。 とはいえ、そんなB2も相応の戦闘は経験してきた。1機目は93年にミズーリ州のホワイトマン空軍基地に引き渡され、今でも同基地がB2部隊の運用拠点となっている。初の実戦投入は99年のコソボ紛