東京・上野の商店街「アメ横」で昨年末、買い物客の財布をすったとして、警視庁鉄道警察隊は窃盗の現行犯で、東京都荒川区南千住、無職、田中梅次(うめじ)容疑者(81)を逮捕した。田中容疑者は、上野駅周辺で通行人の尻ポケットから財布を抜き取る手口で捜査員から「ケツパーの梅じい」と呼ばれていたといい、同隊の調べに「今日は商い(スリ)しに上野へ来た。歳のせいか、財布が重く感じた」と供述している。 捜査関係者によると、田中容疑者は20代から同様の犯行を重ね、警視庁のスリの“紳士録”に登録。かつてはギャンブル場でスリを働き、「ギャンの梅」の通称で知られた。今回が20回目の逮捕で「動きが鈍くなった。おれはもうダメだ」と漏らしているという。 同隊では年末年始の特別警戒中だったが、人込みでスリ犯特有の目つきをみせる田中容疑者を捜査員が発見、犯行を確認して取り押さえた。上野駅周辺では31日、同様のスリ被害が約10