米国小児学会が昨年、青少年の睡眠不足解消のために中学校と高校の始業時刻を遅らせることを推奨する声明を発表した。児童期から思春期にかけては生体リズムが一生の間で最も夜型化するとされ、日本でも始業時刻を遅らせるべきだと指摘する専門家もいる。(加納裕子) 19~21歳でピーク 「思春期は体内時計の夜型化によって早寝ができなくなっている。気合だけでは早寝早起きは難しい」 10月、神戸市内で開かれた「日本子ども学会」学術集会で、講演した国立精神・神経医療研究センター部長の三島和夫医師(52)はこう断言した。 三島医師によると、子供は小学校低学年から徐々に夜型化し、男性は21歳、女性は19・5歳で夜型化のピークを迎える。その後は徐々に戻っていくが、学校の始業時刻に合わせて起床しなければならないため眠りが分断され、十分な睡眠時間が取れない子供が少なくないとみられる。 三島医師はこの集会で、米国小児学会が