主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の会場となる三重県志摩市の賢島(かしこじま)。陸地との接点が少なく陸上警備には有利な立地とされる。ただ、島々約60、死角も多い入り組んだ地形の英虞(あご)湾にあり、海上警備は一転、困難を極める。本番まで16日で100日。緊張感が漂い始めた英虞湾を訪れた。 湾西側の浜島漁港で、鳥羽海上保安部浜島分室の小型ボートが、係留されている漁船に近づいた。海上保安官が双眼鏡をのぞき、船名や船体番号を1隻ずつチェックする。「狭い入り江にも入れるよう、小回りが利く船でやっています」 海上警備を担う第4管区海上保安本部は昨年、サミット開催が決まった翌7月に英虞湾の調査を開始。正確な地形や湾内構造に加え、船の数や種類、現存する漁業施設などの現状確認を徹底した。開催まで100日となった今、だいたいの状況はつかめた。この取り組みがあってこそ変化をいち早く察知でき、迅速な対応につなげ