実は新幹線の線路を最初に走った列車は大阪と京都を結ぶ阪急電車でした。新幹線開業の前年、1963(昭和38)年4~12月の間、阪急電車が通勤や通学のお客様を乗せて新幹線の線路を走っていたのです。 阪急電車が新幹線の線路を走った場所は、京都と大阪の府境付近にあります。京都駅から新大阪駅方面に向うと、しばらくして右手に阪急京都本線と併走する区間があります。この約4kmの区間で、新幹線の線路を阪急電車が走りました。 なぜそんな珍しい事が起きたのでしょうか。理由は新幹線の建設時にさかのぼります。 京都・大阪府境付近に新幹線の高架橋を造るにあたり、そこを走っていた阪急京都本線の線路も、新幹線と合わせて地上から高架橋へ造り替えることになりました。しかしその高架化工事のあいだ、阪急電車を運休させるわけにはいきません。 そこで、まず既存の阪急京都本線に沿って新幹線の高架橋を建設し、完成したら阪急電車の線路を