2010年01月02日13:32 カテゴリ経済テクニカル 生産性格差デフレ* Tyler Cowenが、なつかしい部門間シフト(sectoral shift)について議論している。これは1980年代に提唱され、Fischer Blackが部門別の一般均衡理論として定式化したが、学会誌には掲載されず、忘れられた。もともとこの種の理論は30年代に、ハイエクなどオーストリア学派が大量失業の原因として提唱したもので、古い産業から新しい産業へ労働人口が移行する過程で起る部門間の摩擦が失業の主要な原因だというものだ。 Menzie Chinnも示唆するように、たぶんアメリカではこの問題はそれほど重要ではないだろう。80年代以降、大規模な部門間シフトによって製造業からサービス業に労働人口が移動したため、かつては大きかった部門別の失業率の差がほとんどなくなった。しかし日本では、部門間の格差が大きい。次の図