※本記事は、『日経エレクトロニクス』2004年6月21日号に掲載された記事を再構成・転載したものです。記事中の社名や肩書き、情報は掲載当時のものです。 「記録的な6カ月(record 6 months)」。「iPodの父」の1人とされる米Apple Computer, Inc.のTony Fadellの履歴書にこうある。製品のコンセプトが固まってから、実質6カ月でiPodは出来上がったという。 Apple社は全社の能力を結集して、この難問に挑んだ。しかし、それだけでは足りなかった。iPodのすべての構成要素を、これだけの短期間で一から用意するのは不可能だ。 Apple社がiPodの開発で外部のメーカーと協力したことは、エレクトロニクス業界ではよく知られている。Tonyの履歴書にも、それをにおわす記述がある。技術ライセンスの交渉相手として、LSIメーカーの米PortalPlayer, Inc