→紀伊國屋書店で購入 「書物の運命」 毎週日曜、某新聞の書評欄を眺めては、いつも思う。なぜ新刊本ばかり取り上げるのか。もっとよい本ならいくらでもあるのに――。 活字離れとか学術出版の危機とかよく言われるが、じつは今の世の中、新刊本が洪水のようにあふれている(専門研究書にしたって垂れ流し状態に近い)。賭けてもいいが、そのうち99.9パーセントは、百年後、誰にも見向きもされなくなっている。手当たり次第読み漁っても、よほどクジ運がよくないかぎり、売り出されるやたちまち賞味期限の切れる消費対象にしか行き当たらない。その空しさといったら。 自分で対象を選んで書評を書くのなら、せめて、この空しさを増幅させないようにしたいものだと思う。そのためには、古典的作品か、さもなければ古典へのいざないの書を取り上げるのがよさそうだ。そこで本ブログ開設に当たり、マルクス・アウレリウス『自省録』の道案内役をしっかり果