印刷 防衛大学校の教授が昨年8月に出版した中国の軍事力についての著書に、他人の発表資料や防衛省の公刊物から、ほぼ原文のまま無断で引き写した記述が複数あることが分かった。出所を明示していない箇所も多く、防衛大は調査委員会を設置し、法的問題や道義上の問題の有無を調べている。 この著書は「中国の海洋戦略にどう対処すべきか」(芙蓉書房出版)。元海将の太田文雄教授と別の教授の2人で執筆した。 全8章のうち太田教授が担当した2章で、防衛白書(2010年版)や防衛研究所が昨年初めて発行した「中国安全保障レポート」、昨年4月にあった「戦略研究学会」での個人の発表資料からの引き写しが数カ所ずつ計30行程度あった。参考文献のリストにはこれらの資料を明示していなかった。 防衛大は昨年11月末、外部からの指摘を受けて、数人の教授からなる調査委員会を設置し、本人から事情を聴いた。防衛白書などの公刊資料からの