古代マヤ文明の大都市ティカルの住民たちは、何マイルも離れた場所から持ち込んだ天然由来の鉱物を用いて、非常に洗練された水の浄水システムを構築していたことが、学術誌Scientific Reportsに掲載された論文で明かされた。 ティカルが栄えたユカタン州北部は、緑豊かな植生にもかかわらず、季節的に砂漠になっている。夏の大雨は石灰岩の岩盤を溶かし、カルスト洞窟や地下河川を形成する傾向があるが、水が陸地を流れる機会はほとんどない。 そのためマヤ人たちは飲料水へのアクセスに苦慮していた。彼らは雨季の間に雨水を集め運河や池に貯めていたが、静止した水の中ではバクテリアが繁殖し、致命的な病気を蔓延させる可能性がある。 しかし、シンシナティ大学の研究チームによると現地の貯水池ではマヤの技術者が、都市に安全な飲料水を供給するために、石英とゼオライトの砂をベースにしたフィルターシステムを設置していたという。