冷戦時代、キツツキが木を突く音のように「パタ、パタ、パタ…」と聞こえた「ウッドペッカー」。HF帯のアマチュアバンドで、強力なウッドペッカー信号に悩まされたハムも多いだろう。これは短波を利用した「OTHレーダー」と呼ばれるもので、旧ソ連などは潜水艦発射弾道ミサイルの発射試験で核弾頭を追跡するのに重宝したという。 今回、戦争跡や事故などによる廃墟跡を集めたWebサイトに、旧ソビエト連邦が誇る、超巨大な「OTHレーダー」施設を撮影した映像が紹介されている。現在は、チェルノブイリ原発事故により、廃墟と化しているようだが、そのアンテナを見ると、あの当時、ヨーロッパの方向から聞こえるウッドペッカー信号の強さもうなずけるだろう。 「Duga(ドゥーガ)-3」と呼ばれているこの巨大なアンテナ・システムは、チェルノブイリ地区のPrypiat(北ウクライナ、チェルノブイリ原発近く)の近郊にある。現在は発電所事