本稿は、2021年7月にオンラインで開催されたパネルディスカッション「女性言葉、どう訳してる?」の振り返りとして、司会兼パネリストを務めた翻訳者の堀池明氏に執筆いただきました。 【イベント概要】(Peatixより抜粋) 昨今、「~だわ」「~わよ」などの女性言葉に関してメディアや視聴者が取り上げる機会が増えており、その使用によって女性のステレオタイプ(女性は従順で丁寧であるべきなど)の助長につながってしまうのではないかという指摘があります。 では字幕翻訳において、どうすれば女性言葉は避けられるのか? どこまで避けるべきなのか? 本イベントでは、翻訳者が事前に訳した短編映画の字幕をもとに、女性言葉の訳し方についてディスカッションをおこない、「女性言葉と字幕翻訳」の今後を考えていきます。 私自身、ここ数年女性言葉をめぐる世間の意識について改めて考えさせられることが多く、翻訳作業で方針が揺らぐこと