政府は、防衛力の抜本的強化を柱とする新たな国家安全保障戦略を実施に移すため、世論説得に乗り出す。安保戦略では、中国の対外姿勢を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と表現し、国防への「決意」を国民に求めた。野党は、挙国一致の下で戦争に突き進んだ歴史から「反省を忘れてはならない」(立憲民主党の泉健太代表)と懸念を強める。23日召集の通常国会で論戦の焦点の一つになりそうだ。
神奈川県は、高齢者の新型コロナウイルスのワクチン接種回数別の感染者死亡率をまとめ、接種回数が増えるほど死亡率が下がる傾向にあると明らかにした。集計結果を県ホームページに掲載している。 感染者を登録する国のシステム「ハーシス」と県のサポートシステムなどから情報をまとめ、昨年七月一日〜十二月二十日に感染が判明した六十五歳以上について検証した。集計した感染者数は十四万八千二百二十四人、うち死亡者は八百五十人だった。 感染者のうち、ワクチンの接種回数を詳しく把握できたのは約半数の七万七千四百三十三人、うち死亡者は四百二十五人。このうち接種歴なしの死亡率は1・42%、一回は1・27%、二回は0・97%、三回は0・55%、四回は0・33%、五回は0・21%だった。
ロシア軍が今月11日まで占領していたウクライナ南部ヘルソン州で、戦死したロシア兵らを焼却していた疑いが浮上している。英紙ガーディアンが21日に報じた。米政府系団体はウクライナ市民ら220人以上が行方不明になっていると指摘。ウクライナがヘルソン州西部を奪還して10日が経過し、戦争犯罪の実態が徐々に明らかになっている。 ガーディアンが伝えた複数の地元住民の証言によると、ウクライナ軍の反転攻勢が激しくなった今夏以降、ロシア軍は死亡した自軍兵士を袋詰めにしてトラックでごみ処分場に搬送し、遺体を燃やしたという。焼却の時間帯は立ち入りが禁じられ、知らずに入場した住民は殴打された。遺体を燃やす臭いは近隣の住宅地に広がっていたとされる。 ウクライナ保安当局は、ロシア社会の動揺を防ぐため遺体焼却によって人的損失の証拠を隠滅しようとした疑いがあると指摘。ロシアのショイグ国防相は9月21日、5937人の死者が出
専門職の人の労働時間規制を外す高度プロフェッショナル制度が、導入を主導した安倍晋三元首相らの当時の説明と懸け離れた運用になっている。経験が浅く希望もしていない人が高プロを適用された疑念が直近の調査で浮上。当時も今も所管の厚生労働相を務める加藤勝信氏は、当初の説明通りになっていない実態を指摘されても正面から答えず、制度を見直さない姿勢を示した。(池尾伸一、写真も) 高度プロフェッショナル制度 証券トレーダー、コンサルタントなど5業種の年収1075万円以上の社員を対象に労働時間の上限規制を外す制度。安倍晋三政権が政治主導で立案、過労死遺族や労働組合は「過労死を増やす」と反対したが2019年4月に導入された。今年3月末時点で21社22職場で665人に適用。2カ所の職場で在社時間と社外の労働時間の合計が月間400時間以上に達し、「過労死ライン」(残業含む労働時間月約273時間)を大幅に上回
島津製作所(京都市)が製造した医療用エックス線装置を巡り、保守と販売を担う子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換していたことが本紙の取材で分かった。病院は交換修理費として200万円超を支払った。島津製作所は社内調査していることを認め、自社のホームページに「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」とのコメントを出した。 両社の関係者は25日、この病院を訪れて謝罪し、概要を説明した。営業所を所管する熊本県は、メディカル社などから聞き取りをする考えを示した。病院を運営する自治体は、代金の返還を求めることも視野に検討するとした。 部品を交換していた装置は、エックス線で体内を撮影しながら映像を見られる「エックス線テレビシステム」で、この病院には2009年に設置された。関係者に
東京都の新型コロナウイルス感染症モニタリング会議が21日あり、感染状況について専門家は、感染拡大のペースが変わらなければ「経験したことがない爆発的な感染状況になる」と警鐘を鳴らした。小中学生が感染し、保護者が出勤できなくなるケースが多いことにも触れ、「社会機能の低下が余儀なくされる」として、感染対策の徹底を訴えた。関係者によると、東京都の21日の新規感染の発表数は初めて3万人を超える見通し。 感染状況を報告した国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「危機的な状況が続いている」とコメント。直近の新規感染者数については、3連休による検査数の減少や報告の遅れの影響があるとして「評価には注意が必要」とした。 新規感染の7日間平均は20日時点で1万6549.1人で、前週比164%。同じ増加ペースが続いた場合、1週間後の27日の平均値は2万7140人で、大曲氏は「第6波のピークを大
安倍晋三元首相銃撃事件で、山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の供述によりクローズアップされた宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」。山上容疑者は、母親が入信後に破産するほどの献金をして家庭が崩壊したため同会への恨みを持ち、同教会とのつながりが深い安倍氏を狙うことにした、などという趣旨の供述をしているという。同会と自民党との関係は、半世紀以上前までさかのぼるとされるが、その経緯や実態はどうなのか。(特別報道部・宮畑譲、北川成史) 旧統一教会とはどんな団体か。フランスの経済紙「レゼコー」は襲撃事件後、欧米では「カルト宗教」と認識されていると報じた。上越教育大の塚田穂高准教授(宗教社会学)は「活動の基軸はあくまで宗教的理念と実践。その活動の中において多くの問題を抱え、人権侵害や違法行為を積み重ねてきた宗教団体だ。他の宗教一般と同列には扱えない」と話す。 旧統一教会は教祖の故・文
物価高と賃金の伸び悩みへの対応は、参院選の大きな焦点になる。30年近く上がらない賃金では、現在の物価急騰をカバーできないからだ。アベノミクスの柱といわれた金融緩和は円安を助長し、さらに物価を押し上げる副作用も指摘されている。与野党には生活の防衛策の提示だけでなく、現在の政策が国民に及ぼす影響への検証も求められている。(渥美龍太)
ロシアによるウクライナ侵攻の報道を長時間見る人ほど、精神的健康(メンタルヘルス)を悪化させる傾向があるとする調査結果を、一般社団法人「社会調査支援機構チキラボ」が1日、発表した。特に女性に抑うつ感が強かった。厚生労働省で会見した荻上チキ代表は「報道に触れる量のコントロールと触れた後のケアが重要」としている。(沢田千秋) チキラボは新型コロナウイルス禍でのストレス状況を調べるため、抑うつ感や不安感などを測るウェブアンケートを定期的に実施。ロシアの侵攻開始から約3カ月後の5月の調査では、中度以上の抑うつ感を感じた人が、若年と高齢女性で著しく増加した。18~39歳の女性は3人に1人が抑うつ感を抱え、60~79歳の女性は、抑うつ感、不安感ともに、新型コロナ禍のここ2年間で最高値だった。
労災死亡者に占める60歳以上の高齢者の比率が4割を超えた。けがも含めた高齢者の「労災死傷」も昨年は3万7813人と過去最多を記録し、比率は25%になった。年金の支給年齢引き上げや企業への雇用延長の義務付けなど、「人生100年時代」のスローガンの下、高齢者の労働継続を促してきた政府だが、肝心の安全対策は後手に回っている。(編集委員・池尾伸一)
重症化リスクが低いとされるオミクロン株でも、新型コロナウイルス感染症の後遺症は深刻だ。東京都渋谷区の「ヒラハタクリニック」(平畑光一院長)の調査では、オミクロン株の流行後に後遺症外来を訪れた患者の6割が休職を余儀なくされるなど、社会生活の維持に支障を来す人が後を絶たない。(佐藤航) 2月末、ヒラハタクリニックを受診した20代男性は座っているのもつらい様子だったという。平畑院長によると、男性は仕事に行けず、風呂に入るのも難しいと説明。診察室で横になり、「いつになったら働けますか」と尋ねたが、3月下旬になっても職場復帰できていない。 感染当初、男性の症状は軽かった。自宅療養を経て熱も下がったが、重い倦怠感や気持ちの落ち込みが続いている。平畑院長は「オミクロン株は症状が軽いと言われるが、後遺症については、そんなことは全くない」と指摘する。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く