改革という改革は全部失敗だった 中野剛志(以下、中野):今の日本を「衰退途上国」と呼ぶ人がいるようですが、言い得て妙ですね。 佐藤健志(以下、佐藤):平成が始まったのは1989年。今年は平成30年です。この30年間を振り返って一言でまとめるなら、「良くて停滞、悪ければ衰退」の時代だったのではないでしょうか。経済がこれだけ長期にわたり、停滞したか、あるいは衰退しているというのは、明治以降の日本では初めてのことでしょう。 特に戦後は、1950年の朝鮮特需を皮切りに、約40年にわたって経済発展が続いた。それが突然、ギアが反対に入ったかのごとく、ずるずる落ち始めたのです。なぜそうなったのかを理解せずに、日本再生がありうるとは思えません。平成の停滞・衰退をもたらしたものは何か、これはきわめて重要なテーマだと思います。 中野:同じ停滞でも、改革派の人たちが主張するように「政府や政治が何も手を打たなかっ