粘菌の1種、キイロタマホコリカビ(学名:Dictyostelium discoideum)。細胞が集まり、「スラッグ」と呼ばれる多細胞体になることがある。 (Photograph from Carolina Biological Supply/Visuals Unlimited) 最新の研究によると、粘菌の世界では「裏切り者が栄える」のだという。 世界各地の温暖な地域に生息する粘菌の1種、キイロタマホコリカビ(学名:Dictyostelium discoideum)は、特異なライフサイクルをたどる。研究チームのリーダーでイギリスにあるオックスフォード大学のロレンツォ・サントレッリ(Lorenzo Santorelli)氏は、「一生のほとんどを“シングル”として過ごし、とりとめもなく細菌を食べて生活している」と話す。 しかし、食料が乏しくなると、変異種も含めて多数の細胞が集合し、「スラッ