最近のロシアの外交というと、ウクライナ問題、そしてそれを巡るロシアと欧米の間の緊張の高まりに一番の注目が集まっている。しかし、その側面を表とすれば、その裏ではロシアと中国の関係が深化しているという現実がある。 ロシアの外交は歴史的に欧米との関係が悪化すると、アジアにその重点を移すという傾向が見られる。今回も、ウクライナ問題で欧米との関係が悪化する中、ロシアはアジアへの経済や政治関係を重視するようになったと言われ、その様子は「脱欧入亜」とも称されている。 そもそも、近年、中露関係の深化が顕著に見られるようになっている。かつて中露は、ソ連時代のいわゆる「中ソ対立」や国境問題により、関係が緊張していたが、ソ連解体からしばらく時を経て、両国は関係改善に利を見出すようになっていった。 1996年4月には、中露と中央アジア3カ国(カザフスタン、タジキスタン、キルギス)が安全保障、経済、文化など多面的な
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